nt708

ニューオリンズのnt708のネタバレレビュー・内容・結末

ニューオリンズ(1947年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

「音楽は誰のものでもない。みんなのものだ」

この台詞が本作の全てだと思う。本当のMusic-loverであれば、クラシックだろうがジャズだろうが、音楽が聞こえて来ればリズムに乗らずにはいられないだろうし、その意味で音楽は人種や階級、社会を隔てるあらゆる壁を越えさせてくれる可能性を持っているのである。そういう音楽本来の楽しさを教えてくれるのが本作だったのではないだろうか。

こうしてジャズの歴史を知ってみると、今自分が当たり前のようにジャズを聴けていることに感謝しなければならないとつくづく思う。黎明期、社会の反発に遭いながらも何とかジャズを広めようとする人々の、ジャズが大好きでたまらない人々の尽力があって、今のジャズがある。そういった曲それ自体だけではない、ジャズ全体を取り巻く環境が魂となってジャズに乗り移り、あの力強さが表現できるのだろう。さあ、今夜はどのレコードにしようか。たまにはTraditionalな盤を聞くのもなかなか悪くなさそうだ。
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