プロテストとしてのフォーク
自由へと伸ばした両手と 野外の風
ひとつ フェスの起源こそ ここに在り
そして 敢えて言うなら 米国において
真のロックの生誕は この場所なのだ

フォークの旗手 ディランが
エレキに持ち替えて 大音量を発した
あの瞬間こそ 歴史の大事件だった

バエズにピート・シーガー ドノヴァン
ジョニー・キャッシュ マクダウェル
メジャーもマイナーも交わったような
奔放な人選も 愉快この上ないのだが
個人的なハイライトは サン・ハウス
あのギュンギュンにうねるスティールギター
熟年にして 神がかったプレイは圧巻

フェスというものが こうも多くを魅了するのは
脈々と流れ続ける アーティストの遺伝子こそだ
彼らが如何なる影響を受け どう変化していき
そして 後世にどんな明かりを灯したのか
その流れ 背景を深く 知れば知るほど
見果てぬ夢の地図の続きへと 浪漫はとめどない

もちろん体験する側のそれにも 等しい価値がある
国境も 世代も超えた 人々の調和もまた美しい

1963～66年の有名なアメリカのフォーク・フェスを編集したもの。映画公開時には既にフォーク・ブームは終わっていたので、貴重な映像映像とも言える。
弾き語り＆マイク・ブルームフィールドのギターで「マギーズ・ファーム」を歌うディランがやはり中心。映画女優のような美人だったジョーン・バエズもアイドル並の人気だった。
何度も出てくるのがPPMで、マリー・トラバースが神々しく歌う「天使のハンマー」が映画の中のベスト・トラック。

記録フィルム。演出などはあまり感じられない。