【Dr.グロスによる危険なスパイス】
有名なフロイト〜ユング〜シュピールラインの三角関係をクローネンバーグの世界観で描いた作品。
フロイトとユングの対比をここかしこに印象付け、やがて袂を分つのも必然かと思わせる。
治療を拒否して病院から逃走しその後餓死して果てるDr.グロスが彼らの関係性への危険なスパイスであった。
医者と患者が愛し合うなんて!性的トラウマを再体験させるなんて!と毛嫌いするのは簡単だが、今の時代の倫理規範をそのままこの作品の時代に持ってきて批判するのは適切ではない。
言語連想テストにおいて被験者の生理反応を手動で追いかけて記録するシーンにいちばん目が奪われた。