このレビューはネタバレを含みます
イラン・イスラム革命最中の1979年。
アメリカ大使館占拠事件をもとにした映画。
中東で一番の親米政権が倒れ、反米へとひっくり返った、イランの反米思想の原点を理解するのに役立つ。
親米政権を利用して原油の利権を確保しようとしていたアメリカやその国と仲良くして自国を顧みない当時の最高指導者に嫌気がさし起きた革命。
過激派に占拠されたアメリカ大使館から6人の外交官を救出するためにCIAが仕掛けた作戦は“ニセ映画製作"
事実に基づいた作品であることに加え、緊迫感のある演出、また、B級作品のような大袈裟な演出がなかったこともあり非常に見応えある作品だった。
上司の命令を無視して文字通り"命懸けの任務”を遂行した主人公のCIAエージェントには帰国後にCIA最高級の功労賞が贈呈される。目的と手段をはきちがえない結果重視な姿勢を見て爽快だった。
クライマックスのイランからの脱出シーンで主人公と6人の外交官が搭乗している旅客機がイラン領空を抜けたシーンにはかなり感動した。
在イランカナダ大使館のサポートなくしてはなしえなかった偉業なわけだが、そこに勤めていた女性イラン人の使用人が最後イラクに亡命していたがその後がきになる。
この救出劇について機密情報解禁されたのは1997年。
自分の知らないところでこのようなことが起こっていたのかとなんとも言えない気持ち。
国際関係を把握する上でも寄与する作品ではなかろうか。