オーウェン

金融腐蝕列島 〔呪縛〕のオーウェンのレビュー・感想・評価

金融腐蝕列島 〔呪縛〕(1999年製作の映画)
3.4
恐らく原田眞人はこの作品を監督したからこそ、「クライマーズ・ハイ」にも興味を持ったはずだ。
危機の中で組織の中の個人を際立たせる題材は、いつの時代でもやはり挑戦的だ。

銀行が総会屋に多額の献金を行った事が発覚し、地検の捜査が入る。
煮え切らない上層部たちを尻目に、中間職の男たちが再見のための呪縛を断ち切る。

再起に奮闘する男たちは分かるが、信念がいまいち見えてこないのは気に掛かる。
とはいえ職にしがみつく上司を説き伏せ、マスコミを巻き込む情報戦は、現実にありそうなほど迫力を生んでいる。

役所広司が実にリアルなサラリーマンを演じており、苦味のある後味もこの手の作品には欠かせない。
題材が題材なだけに少し前の世界不況と重ねて見るとより味わいがある。
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