野球太郎

天国と地獄の野球太郎のレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
3.9
黒澤明のサスペンス映画。黒澤映画は今回で9作目になる。感動したり、悲しくなったりするような感情を動かすタイプの作品ではなく、人間の微妙な心理描写や真理を感じさせるメッセージ性の強い作品だなと思った。だから人によっては退屈に感じるかもしれないけど普通にみても面白かったし、心に残った。

三船の演技がまず素晴らしかった!軽々しく「演技がすごい。」だの「ストーリーがすごい。」だの言いたくないんだけどすごく良かったぞ!(まあ、毎回良いのだが今まで見た中で一番俺的には好きだ。)権藤のキャラは過去の回想や説明がほとんどないにもかかわらず、「仕事にプライドを持っていて人生をかけている」ことや「子供を大切にしている」ことなど(あくまで推測)が表情や仕草、行動などで感じさせられた。この映画泣くシーンなんかなかったけど連れ去られた側の親が必死にお願いするところをみてかわいそうで涙がちょっとでたわ。ストーリーはなんか警察が調べている時は退屈だったかな。「あー、三船は待ってるだけなのかなー。」っておもったっけな。

普通の作品とはタイプが違うから評価しづらいが、一度観る価値は十分にあると思う。(普通にみても面白いよ)

貧乏でも前向きに頑張って成功しても、後ろ向きに考えて(すなわち自分が不幸だと思い込む)人の足を引っ張っても両方不幸に感じた。(あくまで俺が観て感じたことです)
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