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大いなる決闘のtjZeroのレビュー・感想・評価

大いなる決闘(1976年製作の映画)
3.7
1909年のアリゾナ。元保安官のサム(チャールトン・ヘストン)は、かつての宿敵である殺人鬼プロボ(ジェームズ・コバーン)が脱獄し、復讐に舞い戻ってくる、という知らせを受ける。
現金輸送車にワナを仕掛けて待ち受けるサムだったが、プロボはサムの娘を誘拐して先住民の居留地へ…。

西部劇でありながら、時代設定が20世紀に入っているので自動車や電話も登場する世の中になっている。
そんな社会にとり残されたように引退した保安官が、過去の亡霊のような殺人鬼の復活に伴って”現場”に戻ってくる…という面白い構図。

描き方も、1976年製作らしく、マカロニ・ウエスタン後の残虐な暴力描写が見られる。
主人公と宿敵とのヒリヒリするような死闘は、’71年の『ダーティハリー』を思わせる部分もある。

つまり、物語にもその描き方にも、”昔と今”のハイブリッドぶりが興味深い作品。

観る方としては正義の側を応援したいんだけど、堅物のヘストンよりもニヒルなアウトローのコバーンの方がはるかに魅力的で、双方に肩入れしたくなってしまう。
そうした善と悪のパワー・バランスの拮抗ぶりも見応えあり。最後までギリギリの勝負が続く。
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