国立公園内のブルー・ジョン・キャニオンをトレッキング中のアーロン(ジェームズ・フランコ)は峡谷の隙間に滑落、岩に右腕を挟まれて身動きがとれなくなる…。
『キャスト・アウェイ』、『ゼロ・グラビティ』、『ロスト・バケーション』などに連なるサヴァイヴァルもの。
上に挙げた諸作と比べても、この映画のシチュエーションが最も代わりたくない。
『ゼロ~』の窒息とか『ロスト~』の🦈の方がまだマシ、『キャスト~』の孤島がパラダイスに思えてくるほど。
こっちは半径1㍍くらいのスペースから出られないんだもんねえ。水も得られず己のオシッコを飲まざるを得ない地獄の境遇。
最初から最後まで、痛い、苦しい、ツラい…のオンパレード。
特にクライマックスなんか、歯を食いしばらないと観ていられないくらい。
気の弱い人がスクリーンで観たら貧血になっちゃうんじゃないだろうか(実際、トロントやテルライドの映画祭では失神者が出たらしい)。
畳1畳ほどのスペースで展開するお話を飽きずに観せて、95分でまとめたダニー・ボイル監督の手腕はすぐれている。
あと、その上映時間をほぼ独り芝居で持たせたフランコの演技もお見事。『キャスト~』のトム・ハンクスにも匹敵する。アカデミー主演賞ノミネートも納得。
でもやっぱり一番スゴいのは、原作である手記を書いた(本人である)アーロン・ラルストンさんだなあ。
こんなに過酷な体験をした後も、登山や渓谷アタックを続けているというんだから😲…不謹慎ながら”バカは死んでも~”というわが国の慣用句が頭に浮かんでしまった💦。