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ピンク・パンサー2のHKのレビュー・感想・評価

ピンク・パンサー2(1975年製作の映画)
3.4
クリストファー・プラマー追悼その2(所有DVD鑑賞)。
この作品も私にC・プラマーは英国俳優だと勘違いさせた映画の1本です(単なる言いがかりですが)。

本作は『ピンクの豹』『暗闇でドッキリ』に続き、ピーター・セラーズのクルーゾー警部が11年ぶりに復活したシリーズ3作目です。
邦題が2なのは『暗闇で~』にはピンク・パンサー(宝石の名前)が登場しないため。原題は"Return of the Pink Panther"。

(なぜ11年ぶりに復活したかやP・セラーズのクルーゾー役に対する思い、ブレーク・エドワーズ監督との関係などに興味のある方は傑作『ライフ・イズ・コメディ/ピーター・セラーズの愛し方』がおススメ。S・キューブリックのファンも必見)

1作目で英国紳士のデビッド・ニーブンが演じた怪盗ファントムことチャールズ・リットン卿を本作で演じたのがC・プラマー(当時46歳)。
同じ英国俳優が引き継いだと勝手に勘違いしてましたが実はプラマーはカナダ出身。
劇中ではプラマーはイギリス人という設定ですが、そもそもイギリス人のP・セラーズがフランス人のクルーゾー警部という設定なんですから勘違いする方が悪い。

ニーブン演ずるファントムはお茶目でドジなところもあり笑わせてくれましたが、プラマーは完全にダンディでカッコいいイケオジ路線でお笑いの要素はゼロ。
その代わりアクションや胸毛を披露してくれますが同シリーズ中かなり浮いたキャラであったことは否めません。
プラマーの出演シーンだけ見ても誰もピンクパンサーシリーズとは思わないでしょう。

で、本作は『エクソシスト』の原作者ウィリアム・ピーター・ブラッディ脚本が秀逸な『暗闇でドッキリ』と、バカバカしくもギャグが完全に振り切れてそれはそれで潔い『ピンクパンサー3』に挟まれてどうも印象が薄いのが正直なところ。

しかし映画は大ヒットして以後シリーズはしばらく続くことに。
ちなみに公開当時、正月の人気TV番組「新春スターかくし芸大会」の外国語劇でも井上順がクルーゾー警部をそっくりに演じてました。

実はこの映画、当時中学生だった私が友達と映画館から出たところをバッタリと教師に遭遇、翌日職員室に呼び出され鉄拳制裁を受けた苦い思い出があります。
当時は中学生の映画鑑賞は父兄同伴が必須、さらに映画とは縁が無さそうなその教師が『ピンク~』というタイトルからかなりいかがわしい映画を想像した(ある意味その通り?)ことによるキツ目の体罰だったとも思われます。そういう時代でした。
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