TS

つばさのTSのレビュー・感想・評価

つばさ(1927年製作の映画)
3.4
【最初のアカデミー賞作品賞】
ーーーーーーーーーーーーーーー
監督:ウィリアム・A・ウェルマン
製作国:アメリカ
ジャンル:戦争
収録時間:140分
ーーーーーーーーーーーーーーー
記念すべき1000本目!
第1回(1929)アカデミー賞作品賞受賞。
史上初のアカデミー賞作品賞の作品です。私情になりますが、filmarksを始めた当初から1000本目はこれにしようと決めてました。失礼ながら自分の名前と同じでしたので節目としては何となく良いなあと思い、、これからもよろしくお願いいたします。

さて、今作は1920年代の作品ということで第一次世界大戦と第二次世界大戦の狭間に作られた作品です。10年程前の人類史として忘れられない第一次世界大戦を取り扱っています。第一次世界大戦は途中までヨーロッパにおける大戦でしたが、ドイツが無制限潜水艦作戦を実施し、ルシタニア号を撃破してしまったのをきっかけにアメリカが参加し、実質上の世界大戦となります。第一次世界大戦では毒ガスや戦車などの新兵器が多用されましたが、その中でも航空機というのは人気があったようです。やはり空を飛ぶのは人類の古来からの夢でもあるので、アメリカの若者の心を揺さぶったのでしょう。たとえそれが戦争で使われたとしても。。

今作はそんな中、航空隊に志願した若きアメリカ兵ジャックとデヴィットを描いた作品です。彼らには愛すべき人がいて、戦いが終わってからひとときの休暇を過ごしている描写が微笑ましいです。
こんな時代によくこのような映像が撮れたなと感心するばかりです。実際、スタントマンなしで俳優が飛行機に乗り、手回しでカメラを回していたらしく、死傷者も出たというトンデモぶり。今では一つの映画を作るのに死者なんて出たら大問題でしたが、当時は今ほどではなかったのでしょうか。いずれにせよ、90年前の映画とは思えない程の出来栄えです。途轍もない製作費がかかったでしょう。

無論、飛行技術も今とは比べ物にならないので志願するだけでも人生を左右するものとなったでしょう。しかし、それでも敵国を討ち取りたいという愛国主義が当時の若者にはあったのでしょうか。おおよそ嫌々志願している様にも見えなかったのでそのような意識だったのかもしれません。

奇しくもこの10年後に第二次世界大戦が勃発するので、今作や『西部戦線異状なし』は第一次世界大戦の事情のみを描いた貴重な作品と言えそうです。タイトルにも納得です。今作のメインは航空機とのやりとりなので「つばさ」は兵士の生命線とも言えるでしょう。ただ、物語的には普通かなといったところ。しかし、史上初のアカデミー賞作品なので一見の価値ありかもしれません。

ということで、今年中には1000本までいきたかったのでなんとかクリア出来ました。量より質なので、陳腐な目標だったかもしれませんが、こういうのを設定することによりたくさんの映画に出会えたのは事実なので後悔はないです。更新ペースは落ちるかもしれませんが、これからも見ていきたいと思います!
TS

TS