このレビューはネタバレを含みます
「愛の風景」
1/25〜1/26
イングマール・ベルイマンが自身の両親について執筆した脚本をビレ・アウグストが監督し、第45回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドールを受賞した作品。元々、テレビ映画として制作されたものを劇場用に編集したものらしい。
牧師を目指す神学生ヘンリクと裕福な家庭で育った女性アンナの恋物語。多くの宗教的作品を手掛けてきたベルイマンを形成した両親の物語。中盤で誕生するダグという子は兄で、終盤にアンナが妊娠している子供がベルイマン本人だろうか。
両親の出会いと別れ、再会と結婚、崩壊と再生と、かなりボリューミーな内容なので、3時間という時間は必要だったに違いない。確かに長いけど、このシーンは必要ないんじゃないかと思うようなシーンもない。そして案外、劇的。
結局、何が正しいかなんてわからない。アンナの母親は、この二人は絶対に合わないと頑なに結婚を否定していたが、夫の死をきっかけに二人のことを認めるようになる。
しかし、最終的に二人の関係にはヒビが入り、母親の言っていた通りになってしまった。これが人生。全ての成り行きは神のみぞ知る。そんなことを突きつけられている気分だった。