【第45回カンヌ映画祭 パルムドール・女優賞】
イングマール・ベルイマンが残した脚本を『ペレ』のピレ・アウグストが映画化した作品。
やっぱりピレ・アウグストは苦手かもしれない。くどい。ベルイマンの脚本を堅実に映像化したというだけで、何の映像的工夫も哲学もない。
例えば牧師の苦悩であればベルイマンの『冬の光』のような哲学的アプローチと静謐な映像で見せることはできるし、夫婦の不和だって『ある結婚の風景』のように見せることはできた。ベルイマンならどんな作品になっただろう。
そもそもベルイマンはずっと両親や自分のことを描き続けてきたわけだし、今更直接的にベルイマンの両親の伝記をつくる必要性を感じない。
『ペレ』は話の推進力があったからなんとか観れたけど、今回はまるでダメ。やっぱりピレ・アウグストの演出力には疑問が残る。セリフや演出がくどい。