ヒデ

ゴッドファーザーPART IIのヒデのネタバレレビュー・内容・結末

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「フレド、もう終わりだ。兄弟でも友達でもない。もう2度と顔も見たくない。ママに会いたい時は俺は外に出ている」

切なかった…。9歳で単身アメリカに渡り、どんどん信頼と仲間を勝ち得ていったヴィトーと、組織を守ろうとすればするほど家族と仲間を失ってしまうマイケル。二人の映し方が対照的で、マイケルの孤独が余計に胸に刺さった。"家族"を守るか"組織"を守るかでこうも行く末が変わってしまうとは…。マイケルが家族全員いた頃の食卓を思い出すラストが切ない。

その他にも、9歳のヴィトーの母がドン・チッチオに撃ち殺されるシーン、「5年で裏の世界と手を切ると言ってから7年も経つ」と言ってケイが夫を責めるシーン、縁を切ったフレドとの(心中では殺すと決めながらの)アツい抱擁シーン、ケイとアンソニーに最後のキスをさせずにドアを閉めるシーン、フレドの裏切りを許せず部下にボート上で銃殺させるシーン、そして入隊をソニーに咎められて一人だけ父を迎えに行かないマイケルの長回しシーン。心に残るシーンがたくさんあった。

頑張れば頑張るほど家族を傷つけていくマイケルがとても哀れで、兄・妹・妻の3人を失ってしまう展開はかなりキツい。

気が弱く器が小さな兄のフレドは、小物の自覚がありながらも弟から下に見られることに我慢がならず、敵(ロスとジョニー)の内通者に成り下がる。

妹のコニーもまた、マイケルへの嫉妬心から奔放な生活に身を落とす。

妻のケイも、裏社会から足を洗うという彼の言葉を信じて待ち続けるも、やがて彼が決して変わらないことを理解し、身ごもった我が子を堕胎するほど彼を憎むようになる。そして二人は別れてしまう…。

家族からの信頼も、組織の人員も失ったマイケルは今後どうなってしまうのか。早く3が観たい。


以下、セリフメモ。


「この子はまだ9つです。復讐なんて…!」
「大きくなったらわしを殺しにくる」

(家を襲撃された後に)
「いま信用できるのはお前だけだ。トム…兄弟だよな?」
「その言葉は嬉しいよ。ああ、(義兄とはいえ)兄弟だ」

「イタリア語は話せるか!?これ(銃の入った袋)を預かってくれ。来週取りに行く」

「家を襲ったのもロスだ。俺を後継者にするフリをしているが、引退するつもりもない」

(頭を掴んでキスをしながら)「やっぱりな、フレド。残念だよ!」

「ネバダへは帰らないわ。子供たちもお別れに来たの」

「もうあなた(マイケル)を愛してない。いつまでも愛してると思ったのに」

「俺は変わる。変わる勇気はある。必ず変わる。流産のことは気にするな。また二人で子供を作ろう」
「…流産じゃないの。堕胎したの。あなたの子をこの世に生みたくなかったの。堕したのよ。男の子だった。私が殺したのよ!」

「糸を垂らす時、"マリア様"って言うんだ。そうすると必ず釣れる」

(裏切り者のフランクとトムが話しながら)
「我々はローマ帝国だった。コルレオーネ・ファミリーこそは」
「昔はな」

「自決した場合だけ咎めはない。家族は守られる」
「…筋が通ってる。後のことは任せてくれ」
ヒデ

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