ユウト

この子の七つのお祝にのユウトのレビュー・感想・評価

この子の七つのお祝に(1982年製作の映画)
4.0
増村保造監督のカルト作。
いつ観てもショッキングである。
初めて観たのは(当時でも老朽化がわかる)松竹映画会社の試写室。
そこでも大笑いと仰け反りを止められなかったが、
今でも岸田今日子さんと岩下志麻さんの怪演に増村監督の熱い演出は、目を逸らすことができなくなる。
岸田今日子さんのなまえを見ると本作と『砂の女』がフラッシュバックするくらいにトラウマにもなった。
本作冒頭で岸田今日子さんが怨み人の写真に針を数回刺すのだが、
もうそのシーンだけで私は大笑いして時が止まって何もできなくなった。
(洗濯機が終わった知らせをしてもワンコの散歩の時間になっても岸田今日子さんが豆腐に針を刺すシーンを観るまで、
私の時は止まってしまうのだ。)

公開当時、私は増村監督の大映ドラマ赤いシリーズとイタリア映画『エデンの園』位しか知らず、
てっきり増村監督はバリバリテレビの人だと思っていた。
(無知で生意気なアホの高校生だった。
ただ大映ドラマは増村監督の演出で有名になり、その路線がスタイルになった。
映画だけではなくテレビでも一時代を築いた監督である。)
私は中年後期になって漸く増村監督の大映映画を観る機会を得たが名作傑作が多く、世界でも有名な監督であるのは納得した。
「この子の七つのお祝いに」はテレビのスペシャルドラマのような作品だが、
畑中葉子さんが無駄にバストトップをさらけ出したり、岩下志麻さんのセーラー服姿が見られたり、
テレビで子供が見たらその夜に悪夢をみそうなシーンが多い。
さすが増村監督はヒネリが巧い。
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