高速シンカー

エクソシスト2の高速シンカーのネタバレレビュー・内容・結末

エクソシスト2(1977年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

偉大な善の存在が悪魔を呼ぶ根源ではないかという指摘はすごい面白いと思う。ただその問いかけ自体はそこまで深められることはなく、正直中盤の中弛みはかなりしんどい。リーガンが偉大な善という設定も、あのリンダブレアの姿を見るとどうにも納得しがたいところがある。ラモント神父の行動理由であったメリン神父の死の謎も結局は曖昧なまま、いつの間にかリーガンに悪魔がまた取り憑きそうだから、その対抗策を探るというような話に変わっているのもモヤモヤする部分に感じた。肝心のその対抗策も、イナゴの比喩で悪魔に感化されない心を養うのがいい的な、かなり抽象的なアドバイスをするのみでイマイチ要領を得ることができなかった。結局、全体がかなりとっ散らかっていたので、色々と整理してもう少しわかりやすくしてくれたらもっと見やすかったのかもしれない。2 時間弱の尺も正直長すぎた。あと20分くらい削ってほしい。改めて見直してみたら、最後ラモント神父が全然悪魔祓いせずに、パズズの幻影とずっと肉弾戦をしていて笑ってしまった。
色々弱点はあるものの、テーマ的なところはやっぱり面白いと思う。また、リーガンのテーマ曲を生み出したという功績はかなり大きいので、それだけで、この作品は十分擁護されてもいいと個人的には思う。面白くはないけど、悪様に言うほどは嫌いになれないくらいの絶妙なラインにいる作品だと改めて感じた。
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