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灰とダイヤモンドのkazu1961のレビュー・感想・評価

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
3.9
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-470 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-582

🖋 アンジェイ・ワイダの『世代』『地下水道』と続いた「抵抗三部作」の最終章となる作品です。ドイツ軍が降伏した1945年5月8日のポーランドを舞台に、党県委員会書記のシュチューカの暗殺を依頼されたロンドン亡命政府派の青年マチェクが誤って別人を殺害し、翌朝、軍によって射殺されるまでの一日を象徴的に描いた作品です。

🖋️そこにはポーランド映画史上最も重要な作品として、詩的暗喩表現と政治的ほのめかしに溢れていると言われています。全編を通して青年マチュクがいつかはシュチューカの暗殺するという緊張感を背景にして、青年マチュクの若者の悲劇を描いてはいますが、前作の『地下水道』などのドキュメンタリータッチな救いようのない悲劇とは一線を画して、マチュクの恋と任務の葛藤、もがきながらも精一杯生きた、青春映画としての側面が印象に残りました。

🖋️そしてクライマックスのマチュクの運命を描いたシーン、彼女のクローズアップが挿入されるのがとても印象的で素晴らしい。。。“ 灰の底に燦然たるダイヤモンドが残る”、まさしく題名通りのラストカットです。

😢Story:(参考: Amazon)
第二次世界大戦が終結した、1945年5月8日。ポーランドの地方都市。二人の若者マチェク(ズビグニェフ・ツィブルスキ)とアンジェイ(アダム・パヴリコフスキ)は、県労働党書記のシチューカ暗殺計画を遂行するが、殺害したのは別の人物だった。終戦祝いの宴会場になっているホテルで二人はバーに入る。マチェクはそこで働く給仕の娘に惹かれる。娘の名はクリスティーナ(エヴァ・クシジェフスカ)といった。一方、シュチューカは宴会がおこなわれているホテルに宿泊していた。マチェクは、フロント係に巧みに取り入ってシュチューカの隣室に部屋を取ることに成功する……。

🔸Database🔸
・邦題 :『灰とダイヤモンド』
・原題 :『Ashes and Diamonds Popiot I Diament』
・製作国 : ポーランド
・初公開 : 1958
・日本公開 : 1959/07/07
・上映時間 : 103分
・受賞 : ※※※
・監督 : アンジェイ・ワイダ
・脚本 : アンジェイ・ワイダ、イェジ・アンジェイェフスキ
・原作 : イェジ・アンジェイェフスキ『灰とダイヤモンド』
・撮影 : イエジー・ヴォイチック
・音楽 : フィリップ・ノヴァクボーダン・ビエンコフスキー
・出演 : ズビグニエフ・チブルスキー

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「地下水道」のアンジェイ・ワイダが監督したポーランド映画。ドイツ降服直後のポーランドを背景とする、ロンドン派の抵抗組織に属した一人の青年の物語である。イェジー・アンジェイエフスキーの原作を、アンジェイエフスキー自身とワイダが脚色にあたり、撮影はイェジー・ウォイチック。音楽はフィリップ・ノワック指揮のウロツラウ放送五重奏団。出演するのはズビグニエフ・チブルスキー、エヴァ・クジイジェフスカ、アダム・パウリコフスキー、ボグミール・コビェラ、スタニスラフ・ミルスキー、ズビグニェフ・スコフロニュスキー等。
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