ちろる

風前の灯のちろるのレビュー・感想・評価

風前の灯(1957年製作の映画)
3.8
79分という比較的短い時間に詰まっている、人間の浅はかさ、欲望、情愛、妬みなどなど。
決して上手くいってない嫁と姑関係、嫁は大金隠し持っているのではないか?と睨み、早く死んでくれないかしらととんでもない事を考えている。
そこに家の部屋を間借りする無礼な若者やら嫁の妹やら入れ替わり立ち替わりこの家には人の出入りが絶えず、喧嘩も絶えず、あーお下劣で面白いったらない!
こういったコミカルなドタバタ劇と言えば木下監督の処女作「花咲く港」が真っ先に思いつくが、詐欺師よりもある意味では金にがめついふつうの人達の貪欲さがオブラートに包まれることなく露わになるから見てる方もちょっとだけ恥ずかしくなる。
あそこ、金あるぜ!と見込みをつけた強盗3人組でさえもあまりに絶えない家の訪問者になしのつぶてで、もはや間抜け三兄弟みたいにしか見えない 笑
みんなエゲツないなぁなんて思ってたけど、
本当の本当のにヤベーやつって一番人の懐に入り込むのが上手いニコニコした奴だったりするのよね。
他の作品では観た事がなかった辛辣なお嫁さんを演じた高峰秀子さんこれもまためちゃめちゃハマってて好き。
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