Haco

グブラのHacoのネタバレレビュー・内容・結末

グブラ(2005年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


『何を見ているの?』


『愛する人』

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『細い目』に出てくる少女オーキッドの、未来を描いた続編です。オーキッドが結婚した後のお話。

結婚したオーキッドは、父の入院をきっかけに夫の裏切りに気づく。一方で、町の反対側にある低所得者の地域では、イスラム教聖職者とその妻が、近隣者の困難に向き合う。
映画の中では、2つの世界がパラレルに進んでいきます。

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確かに、ヤスミンの映画の中ではシビアな部類に入る作品なのかもしれないです。
特に「夫婦」としての男女にスポットが当てられていて、裏切られたり、言い争ったり、手をあげてしまうこともある。

でも(映画の展開に関わってこないので言いますが)このレビューの冒頭の言葉は、映画の中でとある男女が交わす言葉です。
ただシンプルに、この映画の中で人と人の心が通じる瞬間を見ると、じんわりするなあとも感じるんです。

その苦みと甘みの切り替えがものすごくて、どきどきしながら観ていました。緊張しながら観たヤスミン映画、初めてかも。

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冒頭、食材を並べていく手を映し出す映像。誰かのために作るごはん。
沢山出てくる家のつくりや、家の中の様子の違いを見ているだけで多くのものを読み取れるのも、ヤスミン映画の面白さ。

最後、やっばいですね……。『細い目』『グブラ』『ムクシン』(オーキッド三部作と呼ばれている)すべて観て、一人の女性が生きるのを見ていくって、もしかしたらきっと、こういうことなのかもしれない、と思いました(感動)。
ヤスミンの込めたメッセージ。
Haco

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