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ドライヴのshinoのレビュー・感想・評価

ドライヴ(2011年製作の映画)
3.6
"5分の間に何が起ころうと、必ず待つ。何が起ころうともだ。"

今回はドラテクが神がかる寡黙ゴズリング。さすがに台詞ゼロではないものの、彼なら台詞なしでも1本の映画が成り立ってしまいそうな気さえします。

車の整備とスタントマンで細々と生計を立てながら、夜は強盗に手を貸し華麗な逃亡劇で魅せる、2つの顔を持つ主人公。

無機質で孤独な彼の心に陽を射したのは、隣人の儚く美しい母と息子。
ヒロインのキャリーマリガンの、どことなく儚く弱い雰囲気がきっと男性にはたまらんと思います。グッときちゃう。
息子くんもかわいくて、寡黙ゴズリングと息子くんが一緒にいる時間はこの映画で唯一心落ち着くシーンかも。
なんだか「容疑者Xの献身」っぽい世界観。

この親子の不幸の元凶である夫が出所したのが運の尽き、闇世界に目をつけられ物語は一気にバイオレンスな事態に。

後半は血が弱い人は観てはいけません。
寡黙ゴズリングからサイコパスゴズリングへの変貌もまたいいのですが、痛みを通りすぎる痛烈な描写が結構あります。
ほんと悪い人と知り合ったら人生終わりというか、「消される」みたいなことって裏社会では起こっているんだろうか…こわい…

主人公のこれまでの人生も映画にして欲しいな…とか思わせてしまうゴズリングはやっぱりすごい役者さんだとしみじみする映画でした。
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