【カウキャッチャーに掬われて】
1914年作、チャップリン映画初出演の短編。演出は凡庸、でも体を張ったドタバタが始まると、流石に愉しい。ちゃんと“キーストン・コップス”も湧いてくるんだね。
チャップリンの扮装は、まだ“放浪者”スタイルとなる前で、演技にキモいギャグも混ぜている。
で、そのきめ細かにぶち込んだギャグの数々を、編集段階で殆ど、切り捨てられたそうな。キモいやつならそれで正解だと思うが、チャップリンと監督との確執は、初めの作品から膨らんでしまったそうで。
チャップリンの身軽さは既に充分、効力を発揮しているが、それが笑いに即、結びつくことはまだ先のよう。
小狡く嘘つきの主人公による、ネガティブな話なんだよね、実は。
とはいえ、映画史的に貴重であることは確実ですね。
<2024.5.5記>