すずき

アギーレ/神の怒りのすずきのレビュー・感想・評価

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)
3.8
時は1560年、南米の何処かにあると言われるエルドラド(黄金郷)を探し、ジャングルの中を進むスペイン軍達。
途中、偵察として40名が先遣隊として川の向こうに送られた。
しかし、先遣隊の副隊長・アギーレが帰還の命令を無視し、先遣隊だけで黄金郷を発見・征服し、ひいてはスペインに対しても反逆するというイカれた計画を実行する…

主演俳優本人のマジキチぶりが有名なこの映画、俳優本人のキチっぷりは裏話を知らないと分からないけど、少なくとも監督は鬼畜だな、という事が分かる作品。
まず、冒頭の行軍シーン、半端なくキツそうな、ガチの山道。下手すりゃ死人が出るだろ、と思える場所を重装備で行軍する。
そして、映画のほとんどはイカダの上。危険なジャングルの川の上で、馬を暴れさせたり、急流を下らせたりと、撮影現場のヤバさは想像に難くない。

映画の内容は、すごく静かな映画。ヒャッハーな感じの狂気じゃなくて、ダウナーな狂気が感じられる。
古い映画だし、地味なシーンばかりなのに、全編退屈せずに見られた。
広い広いジャングルの大自然の撮り方は上手いし、あと動物が沢山出てくる!可愛い!

アギーレ達の行軍は、トラブルの連続で、幾度となく先住民の襲来や熱病の蔓延に悩まされる。
南米に布教を夢見る宣教師(キチガイ)も、アギーレに乗せられ新王国の国王にさせられた貴族(キチガイ)も、一人また一人とダウンしていくのだけれど、アギーレよ、何故お前だけそんなにギラギラしてるのだ!?