まいしほ

カイロの紫のバラのまいしほのネタバレレビュー・内容・結末

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ウディ・アレンの映画はまだ少ししか観たことないけど、今まで観た中で一番良かった。私の大好きなフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのCheek to Cheekが使われてるのは知ってたけど、その使われ方がすごく良かった。現実では大変な状況にあったり、気持ちがどん底に落ちていたとしても、映画館でアステアとロジャースの映画を観ている間だけは、みんな現実を忘れて、それこそ天国にいるかのような気持ちになれる。実際に、トップハットが公開された1930年代でもそういう人たちがたくさんいたんだろうな。映画好きならだれもが共感する映画を観て現実を忘れるひとときっていうのをトップハットのワンシーンを使って上手く表してると思った。冒頭からCheek to Cheekが流れて、会話の中でジンジャー・ロジャースの名前とかも出てきて、最初はこれだけであとは2人は関係ないのかなと思ったけど、ラストで俳優と結ばれてハッピーエンドになるかと思いきや違くて、行き場のないセシリアが映画館に行ってトップハットを観るっていう流れが完璧だった。私たちからしたら、トムもギルもどっちも映画の人物だけど、ギルは現実の人だった… 映画を観るミア・ファローの表情もいい。
ラストシーンについてばかり語ってしまったけど、シンプルに雰囲気がオシャレで好きだし、映画から登場人物が出てきちゃうっていうストーリーや現実世界を知らないトムの様子も面白かった。この映画の中の”カイロの紫のバラ”ではRKOのオープニングロゴなんかも流れて本当の30年代の映画っぽかった。映画が好きな設定の人が主人公の映画っていいよね。ミア・ファローは若く見えるし、可愛いかった。
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