Sanald

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のSanaldのレビュー・感想・評価

5.0
私は今、恋をしている。
まさにこの映画と同じような状況で。
日本を旅行中の彼とは偶然バーで出会い、8時間話しても足りないくらい気が合って、彼が日本に滞在している期間中、時間を見つけては会って話をしてきた。
そして今週末、彼はアメリカへと帰ってしまう。

この話をした時、友人に「まるでこの映画のような話だ」と教えてもらったことがきっかけで、今日鑑賞した。

すると、思った以上に私の状況とピッタリだし、なによりもセリーヌの家庭環境や悩み事と考え方が私にそっくりで、見入ってしまった。

「死」について何度も話が出るのは、物語の終わりを考えたくないから。
「男を殺す女」の話が出るのは、相応しくない人間とは縁を切り、あなたこそがright personなのだと示したいから。

男と女の考え方や態度の違いを表すのがすこぶる上手いと思った。そしてそこから生じるもどかしさも、あるあるー!とつい共感してしまう。今日しか会えないから寝るのか、でもそれを目的にはしてほしくない…とか、よくある葛藤だよねぇ。

「この世に神が存在するなら、それは私たちの心の中ではなく、人と人との間にいる」

「この世に魔法が存在するなら、それは人が理解し合おうとする力のこと
たとえ理解できなくてもかまわないの、相手を思う心が大切」

本当に美しい台詞だ。

全体的に、言葉では言い表せない特別な感情をすごく上手に表現していると思った。
たくさん喋る2人と、喋っても表現できない心の動きのコントラストが素晴らしい。
これこそが人間であることの醍醐味なんだよね。だから、牛の出てくる劇を観に行かなくて正解!笑

わたしと、アメリカ人の彼はどうなるかわからない、でも、最後の日は後悔しないためにも、ありったけの愛を彼に伝えようと思う。

(追記)偶然にもこの映画と同じく6ヶ月後の同じ日に再会することになりました
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