りょう

ハロウィンのりょうのレビュー・感想・評価

ハロウィン(1978年製作の映画)
3.4
 1970年~1980年代のホラーはほとんど観ないし、「ハロウィン」シリーズは、少し興味はありつつも、どれが本流なのかわからないほど類似の作品が溢れていて、どこまで観るべきかわかりませんでした。2018年にデヴィッド・ゴードン・グリーン監督の3部作が始まり、1978年の1作目の正統な続編とされていたので、ようやくこの機会に観てみました。
 インスパイアされた作品として1960年の「サイコ」が引用されていますが、サスペンスとスラッシャーという作風を比較すると、凶器が大型のキッチンナイフということ以外に類似性を感じませんでした。
 それよりも、殺人鬼であるマイケルの姿を少しずつ登場させる表現が不気味で、これから何をするのかわかっていながら、まだ何もしていないという前半の映像は、一般的なスラッシャーにはない要素でした。後半まで惨殺シーンなどもなく、若者の日常風景を描いているだけなのに、そこに潜んでいる恐怖をさりげなく描くところは、ジョン・カーペンター監督のセンスだと思います。
 物語に興味深いところがあるかと言われると微妙で、そもそもマイケルの行動原理やパーソナリティは何も描かれていないし、妙に不死身な理由も不明です。実在する人間なのか何かのメタファーなのかもわからず、このエンディングで当時の観客が納得したのか疑問でしかありません。
 彼が謎の存在でいることそのものがホラーの要素かもしれませんが、あまりこのジャンルを理解する素養もないので、最新の3部作の予備知識として観た程度になってしまいました。
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