け

ローマの休日のけのネタバレレビュー・内容・結末

ローマの休日(1953年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

爽やかな切なさの残る映画だった。

なんと言ってもアン(オードリー・ヘップバーン)がとても可愛らしい。
夜のローマの休日街に逃げ込み、酔っ払っている姿や、翌朝に目が覚め動揺している様子など非常に可愛い。
ジョーとデートしている様子は、心の底から楽しんでいるようで観ていてとても心が暖かくなる。
真実の口でおどけるジョーに驚かされる姿や、ベスパで街中を爆走するシーンなど、どれも少女のような明るい笑顔をしている。

最後は2人結ばれるのかな、と期待したが王族の責務を放棄せず、日常に戻ることを決意した。けれども彼女の中でこの1日は絶対に忘れられない思い出になったのだろう。
あくまでたった1日の、特別な日。だからこそ「ローマの休日」なのだと思った。

たとえ初対面でも、短い時間であっても、ジョーとアンの間には確かに心が通じ合った瞬間があったと思う。だからこそ結ばれてほしかった2人だが、国も違えば社会的地位も違う。園壁を乗り越えられるほど、愛は無敵では無いのかもしれないが、このたった1日の「休日」は必ず2人の心の中に残りづけるはずだ。

1日だけのプラトニックな愛、そして一生の別れ。とても可愛らしく、爽やかないせつなさの残る作品だった。
け