Vega

青春神話のVegaのレビュー・感想・評価

青春神話(1992年製作の映画)
4.4
台湾の青春映画を観て沸き立つ感情を何と呼んだら良いのかな。

蔡明亮のデビュー作。当たり前だけどシャオカン若くてかわええ。李康生がいなければ自分の作品は無かったみたいなこと監督が言ってたけど、ここから二人の作品が生まれていく運命だったと思うと感慨深い。

ゲーセン、ローラースケート、家具も家電もネオンライトも、いつか見た昭和の風景のようであり、ついこの前出会った台北の街の風情でもあり、ノスタルジー。
工事中の景色も多く、台湾が発展を目指して勢いを増しつつも、血の滴る地図のごとく不安定さも紛れていたのかもしれないね。

4階で停まるエレベーターなんて詩的過ぎるし、扉の僅かな隙間の光に自分の家特有の匂いを感じてしまったり、まあなんとも言えない気持ちにさせられて、やっぱり蔡明亮いいなって思いました。
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