成績優秀な高校生トッド。近所に住むデンカーという老人が元ナチスの人間だと突き止める。彼の元を訪れたトッドは、秘密を守る代わりにアウシュビッツでの話をするように要求。その関わりを通じて2人それぞれ危険な暴力の感情が浮かび上がるサスペンススリラー。
主演は今は亡きブラッド・レンフロ。優秀でスポーツも万能のトッド役。授業でアウシュビッツ収容所について調べるうちに好奇心が深まり、かつてそこで赴任していたデンカーから話を聞くうちに底知れぬ闇にはまり込む。トッドがだんだん心を暴力に支配されていく様子を巧く演じていました。
そしてアウシュビッツに赴任していた過去を持つデンカー役には名優イアン・マッケラン。ナチスだった過去を隠して静かに過ごしていたが、トッドとの出会いから闇に支配されていた時の自分が蘇ってくる。この後にガンダルフを演じるとは思えないくらい何を考えているか分からない不気味な姿を見せてくれます。
その2人の心理的な描写が大半を占めているので、そこまで大きな見せ場はありません。でも静かに着実に進行する狂気。それは確かに感じ取れるものでした。
ラストの展開は映画と原作ではかなりの違いがあるみたいですね。原作の方の結末も見ましたが、これだと公開禁止になりそう…笑
