はちみつレモン

2046のはちみつレモンのレビュー・感想・評価

2046(2004年製作の映画)
3.7
花様年華 続編 
満を持して。香港返還から50年後の2047年の一年前というト書きに惚れて。

陳腐な表現になるけど、演出の趣味がなんて良いんだろう。
きたきた、モノローグ。男女の蜜月と別離のあれこれを描くのが上手い。前に観た「ブルー・バレンタイン」的状況が常時とでも言わんばかりに王家衛の描く男女は永遠に切なく映るのよね。

「時間を無駄にするなよ。彼は本気じゃないんだ」

画面の半分だけ使う映像表現が贅沢。
構図にこだわり抜かれた映画だなと思う。鏡の反射も多用されている。
貪るようにお互いの身体を奪い合う。

「どうせ一生続く恋なんてない」

香港という地理的要因、王家衛(ウォン・カーウァイ)。
香港性のように日本性の良さも言わずもがな映像にすれば伝わるものがあるんだろうなと思った。

恋の寿命は短い。一生燃え上がる恋なんて、男女なんていないのかもしれないけど、だからこそ刺激的なんだろう。
画面を見つめさせられるほど、男と女って面倒くさくて最低だなとつくづく思う。

時空の往来と文学的な表現が好きじゃない人は王家衛はハマらないかもだけど。日本にも少しルーツがある作品たちを是非観てほしいと思う。

鑑賞後のBGMは、近未来感のある
EDEN / にしな&唾奇