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国境の町のsonozyのレビュー・感想・評価

国境の町(1933年製作の映画)
4.0
ロシア国境の平和な田舎町。ドイツがロシアに宣戦布告し混乱が広がっていく。
ボリス・バルネットによる1933年の名作。

ベンチに座って町の人々を眺め微笑む少女マーニカ(エレーナ・クジミア)。馬車を止めた男が居眠り&馬がやれやれ的に一言しゃべる(笑)という のどかなオープニング。

狭い工場に詰め込まれて作業している靴職人たち。ニコライが外の騒がしさに気付き、ストライキに参加すべく職人たちを先導し外へ出る。
騎馬警官たちとの一触即発の状態。

ニコライの弟セニカはストより女なキャラで、犬を連れて座っている目の不自由そうな女性にちょっかい出してる。

少女マーニカは小さな靴屋を営む父グレと、間借りしているドイツ人の老人ロバートと暮らしている。
ボードゲームをしたり仲の良いグレとロバートだが、ある日、新聞でドイツがロシアに宣戦布告したと知る・・・

戦地へ向かうニコライやセニカ、労働者たち。
一方、靴工場の主は軍用ブーツの受注にほくそ笑む。

突然、敵と味方となってしまったドイツ人のロバートは家を去る。
見送るマーニカの悲しみ。

塹壕で激しい攻撃を受けるニコライ、セニカたち。
塹壕で一対一になった敵軍兵士とニコライのシーン。

捕虜となったドイツ兵ミューラーが仕事を探す目的で町に出てマーニカと出会う。
ベンチの端に座ってたミューラーが立ち上がりシーソーのようにマーニカが下がるという微笑ましいシーンも。

仕事が見つからないミューラーが靴職人と聞き、ニコライの父は家に呼び入れ作業をやらせるが、ニコライから届いた手紙でセニカが敵軍に殺されたことを知る。
そこにやってきた町人たちのミューラーへの暴行。
なんとか止めるマーニカとニコライの父。マーニカの涙。

そしてロシア革命となる1917年のラストパート。
軍用ブーツを製造するミシンと、戦地の機関銃、爆破、塹壕の兵士たち..のカットバックからの悲しいラストへ。

1930年代にこのテーマで、コミカル要素混ぜ込みつつの緊迫感と哀愁に溢れた映像表現がなされていることに驚かされます。
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