とびきり上品に、そして下品に
ピーター・グリーナウェイの奇想天外、豪奢絢爛、かつクラシックな世界に迷い込む極上体験。
貴族たちの本心を、鍵穴からのぞいているようなフェティッシュな感覚に陥る。
下世話な英国ジョークに、白塗りに真っ赤なリップとホクロを付けた珍妙な双子。
秘密を共有していながら、何も知らない愚かな画家。
彼の描く一点図法のモノクロ画が気持ち良い。
緑の庭園というチェス版に、ドレスの白とフレームの黒。最後に勝つのは美しく、恐ろしき母娘。
英国貴族の、エレガンスを極めるあまり、ナンセンスな有様は滑稽。しかし、彼らの戦略的でクレバーな一面に戦慄する。
白粉の下に隠した本心は、グロテスクなほどに強かで動物的なのです。
しかし、若く可憐な娘を差し置い男たちを魅了する母親の上品かつエロティックなこと。
彫刻男は、本当に存在しているのか、空想の存在なのか。
焼きパイナップルだけが知っている。
マイケル・ナイマンのバロック調の音楽も、明朗なのにどこか不穏で不気味。
〜衣装語り〜
ロココ調の、レースやリボンがふんだんにあしらわれた白いドレスと、シルクリボンを何段にも重ねた山形ヘッドドレス。
イヤリングはドロップ型のものが多く、パールネックレス、大きなチャームの華やかなネックレスのスタイリング。
指輪は、大ぶりの石のものをひとつ。
ハーバート婦人
①白地にゴールド刺繍のドレス＋レースヴェール付きヘッドドレス＋ガーネットのクリスタルイヤリング、ネックレス
②ペールブルーの刺繍入りリボンヘッドドレス
③シルクドレス
④縁が黒レースのベッドドレス＋黒縁袖のレースドレス
⑤喪服ブラックドレス
①胸元にリボン、フリルの白ドレス＋ドロップパールイヤリング、パールネックレス
②白い羽付きハット＋ビーズ刺繍付き、フリルが大胆なアイボリードレス
③ペールピンクのドレス
④喪服ブラックドレス
