似太郎

武器なき斗いの似太郎のレビュー・感想・評価

武器なき斗い(1960年製作の映画)
3.8
「ヤマセン」こと山本宣治が右翼青年に暗殺されるまでの儚い生涯を記録的に綴ったドラマ。どうも台詞が直接的で恥ずかしくなる。

「プロレタリアが」どうの「民衆の声が」どうのと…。この監督のイデオロギーが少々裏目に出た感じである。ラストもくどい。

故・松本俊夫の名著『映像の発見』で本作が完全に批判対象となっており、やはりこの頃の文化左翼の象徴みたいな映画だっのかな…?と推察する。力作ではあるが、必ずしも成功作に非ずといった感じである。

労組(現代にそんなものない)以外は観ないだろうし、新左翼からは馬鹿にされるしと不運な運命を辿ったまさしく「時代の徒花」みたいな作品。
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