思い切った展開がおもしろいサマセット・モームの映画化作品。なんともブラックなハッピーエンド、結構好きでした。
今となっては、谷崎潤一郎っぽい邦題がへんてこに感じますが、当時の戦略なんでしょうね。
ベティ・デイヴィスはまだ若くて、美しくさえ見える瞬間もありますが、話し方や立ち居振る舞いはほぼ完成されていて、ビッチ感が凄まじい。この人しかできないでしょうって思うくらいハマり役でした。
信じられないくらい図々しく、お金が欲しくなれば「せめて料理をしてあげたい」とかほざく姿は鳥肌ものですね。笑えるほどイラついたわ。
高慢ちきな登場から落ちぶれる最後の姿まで、じっくり魅せてくれました。
翻弄されるフィリップのレスリー・ハワードも上手で、さらに頻繁に合成を交えながらミルドレッドが頭から離れない様子を表現した演出も楽しかった。