似太郎

ジェラシーの似太郎のレビュー・感想・評価

ジェラシー(1979年製作の映画)
5.0
アート・ガーファンクル主演。時系列を解体させぶっきら棒に物語が進行する、タイムスライス・サスペンス。

奇才ニコラス・ローグ監督らしい奇抜な映像テクニックにひたすら酔える一作で、ごちゃついたストーリーにも関わらず、予測不可能でサスペンスフルな展開が繰り広げられ全編ハラハラ感が持続する。

原題は『BAD TIMING』。陰鬱な不条理テイスト漂うオチも見事で、各々の画面構成もかなり凝っている。濃ゆい男女のロマネスク描写と徹底してアブストラクトな構成が本作の要と言える。

ポスト・ロックの立役者、ジム・オルークのアルバム・タイトルの元ネタとしても知られている。(「ユリイカ」はこの監督の前作『錆びた黄金』の原題から拝借している)。

ミュージシャンを多く起用することが多いローグ監督だけに、音楽業界からも信頼が厚いのだろう。🤔う〜ん、感慨深い。

この監督は『赤い影』『美しき冒険旅行』『地球から落ちてきた男』『マリリンとアインシュタイン』など「風変わり」な映画が多いが、取り分け本作は時間構成やストーリー展開などがぶっ飛んでおり相当に「風変わり」な映画である。
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