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もも子、かえるの歌がきこえるよ。のmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.6
戦争モノが多い印象のマジックバスだが、こういった教育的側面の作品も多いね。

未熟児として生まれた双子の兄妹。
妹のもも子だけが知的障害・身体障害があり、身体が小さく鼻にチューブを入れて生活している。身体が弱く入院しがち。養護学校に行くが、普通の学校に行く兄が羨ましくて泣く日々。

兄は兄で妹を多少鬱陶しく思うこともある。さらにクラスメイトの優等生が障害者を毛嫌いして邪険な態度をとる。

養護学校との交流でクラスに編入するが入退院を繰り返す。

キャラクターの内面を描くのが凄い丁寧で感情移入できる。兄も両親が妹のみに構うのに怒ったり、懸命に生き死の恐怖に怯える妹に涙したりする。

劇中で嫌な奴のクラスメイトだが、父の厳しい成績至上主義に抑圧されているのがわかる。子供が弱いものを虐めて差別するのが束縛や抑圧からくるのも納得。

だからこそ、もも子の為に二人が仲直りして運動会のリレーで勝利を目指す展開はグッとくる。
アニメという記号化されたキャラクターだが、手足が細く首が傾いでいるもも子のハンディキャップ描写のリアリズムが素晴らしい。

悲しい結末だが心温まる良い映画だと思います。
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