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コールガールのTaulのレビュー・感想・評価

コールガール(1971年製作の映画)
4.0
『コールガール』(1971)U-NEXTで初鑑賞。久しぶりにこの時代のアメリカ映画を観たが堪らない。この手のサスペンスでは完成形みたいな面白さ。翌年『ゴッドファーザー』を撮るゴードン・ウィリスの見えにくさを厭わない撮影が、観客をまさに暗闇に引き込むかのよう。そう都会の見えない闇の話なのだ。

『コールガール』パクラの謎めいた語り口が上手く、別の場面や小物を使い心情を語るなどいちいち芸が細かい。当時画期的でスターがNYのコールガールを演じ、ジェーン・フォンダがその説得力のある演技でアカデミー主演女優賞を獲得。彼女のシャギーなヘアや、当時を象徴するようなファンションも見どころ。

『コールガール』は、最近観てなかなか面白かった『オーメン:ザ・ファースト』のアルカシャ・スティーブンソン監督が好きな作品で、ホラーと呼べると語っている。確かに若い女性が闇の世界で体験する恐怖というところでは似ていた。ただ基本はノワールタッチのサスペンスであり、パクラの社会派の視点で強度を増してると感じた。
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