私はこの作品が大好きです。
ものすごくあたたかい気持ちになれるから。
イギリスのノッティングヒルに撮影に来ていた、
ハリウッド女優のアナ(ジュリア・ロバーツ)は、
騒がしいマスコミからのがれるためふらりと書店に立ち寄る。
そこは旅行所専門の冴えない書店で、バツ一のタッカー(ヒュー・グラント)が経営していた。
彼は彼女がハリウッド女優だと気づかない。
書店を出たアナと街で偶然ぶつかったタッカーは、
誤って彼女の服にジュースをこぼしてしまい・・・
と、出会いのシーンは少々作りこみすぎた感がありますが、
物語はここから面白くなります。
タッカーの周りのあたたかな友人たち。
ちょっと変わった同居人などみんないい人。
タッカーの妹の誕生日パーティーにタッカーがアナをつれてきて、
ほんとうにあったかいホームパーティーを開く場面がいい味。
行ったこともないイギリスのノッティングヒル。
とても素敵な街にみえた。
すれ違いでアナと別れる事になったタッカーが、
街を散策しているうちに季節が変わっていく演出もいい。
メグ・ライアンやデミ・ムーアが、引用されるのも面白いが、
車でアナの最期の記者会見場に向かうドタバタした車の中で、
ドライバーの友人が、「007は道に迷わない」の台詞が最高でした。
友人夫婦の奥さんが車椅子生活でも、
夫がそのハンディをまったく感じさせない自然な描写もいいし、
物語の中で誰も怒らない。
変わり者でどうしようもないと思われていた同居人が、
クライマックスでスーパーマン的な活躍をするのも嬉しい。
記者会見場で告白する場面もぐっときますが、
気が利いてて素敵なのはラストシーン。
おもわずニコニコしてしまいます。
ヒュー・グラントとジュリア・ロバーツ揃って好演。
私には俳優さんの名前はわかりませんが、
ロバート・デ・ニーロに似たホテルのフロントマン役の人が、
とてもよかったです。
ドタバタコメディになってしまいそうな素材を、
とても自然なロマンティック・コメディに仕上げてくれた、
ロジャー・ミッシェル監督に拍手!