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110番街交差点のcatmanのレビュー・感想・評価

110番街交差点(1972年製作の映画)
5.0
ダーティーハリーの翌年、1972年公開。NYCのハーレム街を舞台にイタリア系マフィアとブラックギャング、警察の三つ巴の抗争をハードに描く。この完璧なジャケ写。最高じゃないですか。
アンソニー・クイン w/ ヤフェット・コットーという濃密な二枚看板に目が行きがちだけれど、物語の実質的な主人公はどん底から何とか這い上がろうともがき苦しむ黒人中年(42歳で病気持ち)。「アルカトラズからの脱出」や「ドゥザライトシング」に出演しているポール・ベンジャミンの熱演が光る。人種差別等の社会的な抑圧と闘い、夢を追いながら刹那的に命を燃やす様を描くスタイルはモロにアメリカンニューシネマ。黒人ギャングのボスが痺れる名セリフを連発してます。ブラックスプロイテーションって、意外と演出がユルかったり荒唐無稽なものも少なく無いなか、これはバイオレンスも激しく終始緊張感が途切れないシリアスでヘヴィな傑作。
それと本作を語る上で外せないのが音楽。The Last Soul Man、ボビー・ウーマックによる主題歌および劇中に挿入されるソウルミュージックの熱さは言わずもがな、JJジョンソンによるファンクネス溢れるジャジーなスコアも素晴らしい。
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