ヒデ

西部戦線異状なしのヒデのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(1930年製作の映画)
3.8
「祖国のために命を捧げることが善なのでしょう?だが最初の爆撃で悟ったんです。命を犠牲にして祖国のために戦う必要はないんだ」

教師に煽られて意気揚々と向かった戦地で、兵隊たちが戦争の現実に直面する話。

ラストシーンの演出が凄い。ここだけで観る価値あるレベル。

白黒映画であるけど1930年に作られたことが信じられないクオリティで、戦地の過酷な描写はプライベート・ライアンを彷彿とさせる。こんなに素晴らしい反戦映画があったにも関わらず、ドイツが第二次世界大戦へとむかってしまったことが悲しい。


以下、セリフメモ。


≪この物語は告訴でも告白でも冒険物語でもない。死と向き合う人間には、それは冒険などではない≫

「君たちはこの祖国の命だ。ドイツの鉄の男たちだ。敵を撃破する偉大なヒーローになる」

「戦争は君たちにとって良い経験となるはずだ。軍服を着る名誉から逃げ出すのか」

「戦いは美徳であり、軽蔑されるものではない」

「"祖国に捧げる死は甘美である"」

「これまでの知識は全て忘れろ。自分の将来など考えるな。お前たちは兵隊になるんだ」

「ネズミに齧られただけだ。2日もすればそのパンもご馳走に見えるぜ」

「このブーツを俺に譲ってくれないか。(その足では)もうお前は使えないだろう」

「アンタを殺すつもりはなかった。奥さんにも手紙を書く。両親の世話もする。だから許してくれ…」

「なぜ服を脱がす?"死の部屋"はいやだ!」

「明日には前線に戻る。あと4日あるがもう耐えられない!」

「(負傷してしまったから)また離れてしまうな」
「戦争が終わったら一緒に何かしよう。住所を教えてくれよ。絶対に会おう」

「豚を一匹食べたことを覚えているか?森の中で砲弾の避け方を教えてくれたことも。最初の砲撃も、入隊したてで泣きべそをかいていた」

「無駄足だったな。もう死んでる。彼の支給簿だ」
ヒデ

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