床ずれ

少女ムシェットの床ずれのレビュー・感想・評価

少女ムシェット(1967年製作の映画)
4.5
ムシェットの他人から突き飛ばされる身体の動きが印象的だった。いつも残酷な大人たちに不意打ちを喰らう少女。唯一、遊園地のゴーカートのシーンだけ突き飛ばされるのを楽しんでいて、そのときのムシェットの笑顔が素敵だった。ブレッソンの映画は俳優に何度も同じ動作を繰り返させることで有名だが、不意打ちを何度も繰り返していたら、それは不意打ちではなくなってしまうのではないかとも思った。常に背後から突き飛ばされるのを予期する不安に苦しめられているような表情。周囲がみんな敵に見えてしまうひどく悲しい映画だった。
ゴダールが編集したという予告編も冴え渡っていて凄い。
床ずれ

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