おだ

プリティ・リーグのおだのレビュー・感想・評価

プリティ・リーグ(1992年製作の映画)
3.7
野球の天才であった姉とその影で燻る妹が主人公。野球チームへのオーディション競争から始まり、観客という社会への迎合、最後にはふりだしの姉妹関係の因縁を昇華させたハッピーエンドに収斂する。


本筋ではないが、アメリカスポーツにおける女性へのイメージの変遷を垣間見た。アメリカスポーツ史において、戦前から始まった女性スポーツは男性による性的消費の対象でもあった。女性のプロ野球やアメフトなどを事業として継続するためには、ガーリーさやセクシーさによって男性の注目を浴びる必要があった。それゆえ、かつてはユニフォームは本作のようにスカートであったり、水着のような格好のユニフォームも存在した。加えて、作中のリーグ会長と監督の会話の中でもスポーツにおける女性の立場の弱さをはっきりと映し出していた。そんな女性スポーツ黎明期の闘いの歴史をコメディーを通して感じることのできる作品だった。


“A league of their own”というタイトルには、姉妹のみではなく、女性としての地位を築いていく側面があったと推測する。
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