平田一

ザ・ショックの平田一のレビュー・感想・評価

ザ・ショック(1976年製作の映画)
3.8
“39回の連続ショックにあなたは何回耐えられるか?”
“ザ・ショック!”
“思いきり、悲鳴をあげて下さいーー”

内容よりマリオ・バーヴァのテクニックが面白い。ブランコから消える息子、勝手に動いているピアノ…すぐに分かる仕掛けなのに、その仕掛けにものすごく感服するテクニック。宙を舞うカッターなんてすごく分かりやすいのに、そのアイデア面白いなと思うテクが詰まってて、今のCG全盛期に見るととても新鮮です。

話自体は正直いって欠伸が出そうなものだけど、よく見ると有害な男性性の描写とか色眼鏡で見られてしまう被害者の訴えと、現代にも通じるものを感じて悪くなかったです(実はヒロインが…という真相も“成る程!”です)。

ある場面じゃ「ひぐらしのなく頃に」を思いだし、『バイオハザード』(ポール・W・S・アンダーソン)の主人公アリスのとある場面とか、バーヴァって実は結構後世の作品にスゴく影響与えているクリエイターなのかも。

ちなみに本気で怖かったのは、新しい旦那さんを窓から見送る奥さんの上から急にシャッターが下りてきた場面です。あれは日常にもありそうな瞬間だから怖かった…
平田一

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