mimicot

アシク・ケリブのmimicotのレビュー・感想・評価

アシク・ケリブ(1988年製作の映画)
4.5
ロシアの詩人レールモントフの同名短編小説の映画化。
エンドマークの後に「タルコフスキーに捧げる」と、亡き親友への献辞が出てきました。しかし本作はパラジャーノフ監督の遺作となった作品でもあります。

お話は、裕福な領主の娘と、貧しい吟遊詩人アシク・ケリブの恋物語。結婚を反対され、身をたてることを誓い千日の修行の旅に出るアシク・ケリブと、待つと決めた娘。
はたして恋の行方は...。
連絡手段もないのに遠距離恋愛なんて。。

"映画の形をした美術書"とか"動く絵画"と言われてますが、ほんとにその通りで、後世に名を残す画家の絵画を連続で見ているようでした。ひとつひとつじっくり見てみたい。

ざくろの色、金色、土の色...
絵の具で色づけしたような 独特な色彩が好き。
花の帽子、いぶし銀の首飾り、様々な民族衣装が豪華で美しい。
そして民族色豊かな音楽が鳴り響く。踊りがまた素晴らしいの!
パラジャーノフの世界にどっぷり浸れてとっても幸せでした。

独特な色彩から突然真っ白に変わるラスト。それもまた感動をよびました。

圧倒的な芸術性に感動した作品でした。
mimicot

mimicot