kazu1961

酔いどれ天使のkazu1961のレビュー・感想・評価

酔いどれ天使(1948年製作の映画)
4.4
▪️Film Diary————————————————-
🖋本年鑑賞数 :2021-425 再鑑賞
🖋#死ぬまでに観たい映画1001本 ※※※/1001

🖋今観ても、まったく色あせない映画です。ほんの力強い作品、時代を超えてもそれを感じさせ、感動させるのは凄いことだと思います。メタンガスが充満する沼地の周りの闇市を舞台に戦後の混沌としたエネルギッシュな雰囲気が見事に描かれています。

🖋とりわけそのエネルギーを感じさせる2人の主演の演技がほんとに素晴らしい!!愛想は無いけど貧乏人ばかり診察する心優しい飲んべえの医者真田を演じる志村喬の存在感は抜群です。そして本作で出色の演技を見せたのはまだ映画出演3作目の三船敏郎、こけた頬に眼光をギラギラさせて薄幸ながら熱量のある演技を見せ、この1本でスターダムにのし上がり、以後の黒澤=三船コンビがスタートしました。正しい道を示そうとする医師真田と、肺病に絶望して捨て身になっていくやくざ松永との対峙が、強烈なインパクトを与えてくれました。

🖋中身のない空威張りをするヤクザへの批判と、またこういう人たちを生み出す事になった戦争への批判を交錯させながら描いている黒澤監督の手腕はさすがです。また、映像と対置する音楽を使う(悲しい画面に「カッコウ・ワルツ」を流すなど)など、後の黒澤映画で多用される演出手法がこの作品で確立されました。

😢物語は。。。
反骨漢だが一途な貧乏医師・真田(志村喬)は、闇市のやくざ・松永(三船敏郎)の鉄砲傷を手当てしたことがきっかけで、松永が肺病に冒されているのを知り、その治療を必死に試みます。しかし若く血気盛んな松永は素直になれず威勢を張るばかり。更に、出獄して来た兄貴分のやくざとの、縄張りや情婦を巡る確執の中で急激に命を縮めていきます。弱り果て追い詰められていく松永。吐血し真田の診療所に運び込まれ、一旦は養生を試みますが、結局は窮余の殴り込みを仕掛け。。。

▪️Database————————————————-
🎥邦題 :『醉いどれ天使』
原題(英題):※※※
🎥製作国 :日本
🎥初公開 :1948
日本公開 :1948/104/27
🎥上映時間 :98分
🎥受賞 :※※※
🎥監督(製作):黒澤明
脚本 :植草圭之助、黒澤明
原作 :※※※
音楽 :早坂文雄
出演(声優):志村喬、三船敏郎、山本礼三郎、木暮実千代、中北千枝子、千石規子、笠置シヅ子

▪️Overview (映画. comより)———————
戦後の混乱期。ヤミ市を舞台に飲んべえの医者と結核を患う若いやくざとの交流を描いた作品。新人・三船敏郎は痩せこけた頬にギラギラとした眼光を放ち出色の演技を見せ、この1本でスターダムにのし上がった。映像とかけ離れた音楽を配する演出手法は、この作品以降多用されている。戦後の混沌としたエネルギッシュな雰囲気が見事に描かれた本作は、黒澤=三船の黄金コンビ誕生の記念すべき作品である。
kazu1961

kazu1961