千年女優

エターナル・サンシャインの千年女優のレビュー・感想・評価

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
3.5
平凡な日々の中で声を掛けられた奔放な女性クレメンタインと恋人になって、二年間の交際を経てバレンタインを迎えるジョエル。些細なきっかけからの口論で彼女が記憶除去処置を受けたと知った彼が、同様にハワード博士率いる面々の記憶除去手術を受けるも、朦朧とした意識の中で消えようとする記憶に抗う様を描いた恋愛コメディです。

スパイク・ジョーンズ監督作品の『マルコビッチの穴』や『アダプテーション』での奇抜な物語が評価されるチャーリー・カウフマンの脚本を大物ミュージシャンのMVを多く手掛けるミシェル・ゴンドリーが監督した作品で、本作のジム・キャリーとケイト・ウィンスレットが演じる自由な物語も評価されアカデミー賞の脚本賞を受賞しました。

倦怠期を迎えたカップルのありがちな喧嘩を発端にしながら流石のカウフマン節で独創的な物語となっていて、脳内を冒険する映像は不思議の国のアリスのように混沌としながらも物語にはしっかりと仕掛けがあり観る者を驚かせます。愛が時に苦い記憶によって邪魔をされようとも根源にある感情の震えを起源とすることに挑戦する一作です。
千年女優

千年女優