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エターナル・サンシャインのYYamadaのレビュー・感想・評価

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
3.6
【恋愛映画のススメ】
エターナル・サンシャイン (2004)

◆映画のジャンル:
 SFロマンティック・コメディ
◆ロケーション:
 モントーク / ニューヨーク州
◆パートナー(カッコ内は公開時年齢)
 ♀️: ケイト・ウィンスレット (28)   
 ♂️: ジム・キャリー (42)

〈見処〉
①忘却は、より良き前進を生む?
 唯一無二の「多重構造」恋愛映画
・『エターナル・サンシャイン』(原題:「Eternal Sunshine of the Spotless Mind」=「一点の汚れもなき、永遠の光」)は、2004年公開のアメリカ映画。原題は、劇中に言及されるとおり、18世紀の詩人アレキサンダー・ポープの詩から引用。
・本作の主人公ジョエル(ジム・キャリー)は、元恋人クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が、ラクーナ医院で特定の記憶だけを消去する施術を受けてジョエルの記憶を消したことを知り、自分も彼女の記憶を消そうと同じ施術を受ける。
・だが、クレメンタインを忘れたくないジョエルの深層意識は施術に反抗、自分の脳内のクレメンタインの記憶を守ろうとする…(eiga.comより抜粋)。
・「記憶除去手術」を受けた男女を主人公として、記憶と恋愛を扱った作品。原題は、劇中でメアリーが暗唱するアレキサンダー・ポープの詩にちなむ。
・時系列を切り崩し、リアルとバーチャルの境界線を曖昧に描いた、唯一無二の複雑な本作の脚本は、2004年度のアカデミー脚本賞を受賞している。

〈見処〉
②結び…本作の見処は?
よく練られた複雑な脚本によってリピート率の高い人気作品であるが、主人公に感情移入出来るかどうかで評価が分かれる作品

◎: 中盤以降に描かれる記憶消去からの逃亡シーンにおける数々の視覚効果は、高予算作品ではなくても印象的な撮影が出来る好事例。
○: 冒頭からの小さな違和感が積み重なり、やがて時系列が混在していることに気付かせるストーリー展開が秀逸。「クレメンタインの髪色」や「クルマの凹み」などの証跡をなぞる再鑑賞が楽しい。『メメント』と『インセプション』両作を想起させるストーリー展開。
○:「笑わないジム・キャリー」のシリアスな演技が注目された本作であるが、マーク・ラファロら助演陣が印象的。とくに「記憶除去手術」の助手を務めるキルスティン・ダンストは、重要なストーリー展開を担い、行動原理にも共感が出来るキャラクターを演じ、本作と同年に製作された『スパイダーマン2』の「ブサカワ・ヒロイン」とは違う好印象を残す。
▲: 秀逸なストーリー展開に対して、主人公2人に対する感情移入に乏しいのは「ディスり合い場面の印象が強い」「幻想ではない、現実世界のクレメンタインの印象が低い」ためだろうか。
▲: グッドシェイプのキルスティン・ダンストと比較されるのは可哀想であるが、本作のケイト・ウィンスレットによるウエイト・オーバー気味の大きな身体と端整な顔立ちのアンバランスが気になる。。
×: 『ロード・オブ・ザ・リング王の帰還』翌年に製作された本作。「フロド」役のイライジャ・ウッドの本作出演には大きな疑問、キャリアアップを不意にした感あり。
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