アニメーションの歴史に寛然と輝く古典となった今作。
80年代末に作られたとは思えない、そのオーパーツ性こそが古典を古典足らしめてるわ。明らかに同時代のアニメのどの作品よりも突出してる。
大友という、漫画界での一大革命を起こした作家のイマジネーションがアニメ界をも一変させた。明らかに大友以前と以降でアニメ界は変わったもんな。
サイバーパンクな荒廃した東京、圧倒的な作画、芸能山城組のサントラ、センスオブワンダーを極めた演出は、30年前は疎か現在でも他の追随を許さないレベルと言っていい。
その後の影響力も大きいく、後の作品にもAKIRA的な作品は少なからずある。鉄雄が膨張し暴走するシーンなんかは、パルムの樹やメトロポリス、老人Zなど、色んな作品で見られる。
良くも悪くもAKIRA以降の作品がAKIRAに引っ張られているのが判るわ。
また漫画よりも話を簡略化したことも大きい。映画の尺にあったストーリーを作るって当たり前だけど、未だに漫画のアニメ映画化でこれが出来てないもんな。
しかし東京ムービーがこのレベルの作品を続けて作らなかったことが本当に勿体なかった。もしかしたらジブリのようになったかも知れないのに。
