空の落下地点

さよならみどりちゃんの空の落下地点のレビュー・感想・評価

さよならみどりちゃん(2004年製作の映画)
3.0
裸は無垢、心許ない、無様、惨め。主人公ユウコは本命彼女みどりちゃんという理想に近づこうとする。誰も知らないよ、ユタカが失恋で吐いたりするくらい繊細だって。自分みたいな、辛い想いしてほしくないから、ユウコから去ることにしたのでは。

この映画は、性を力として描いている。性に明るくなることを主体性の獲得であると主張している。ユウコは積極的になることで自信を得た。それを脅威と捉えたユタカは自慰を強要する。恥を乗り越えたユウコが一世一代の告白をしてカウンターパンチが決まる。まるで格闘技の試合みたいだ。

みどりちゃんにも、ユタカがセックスワーカーになるように勧めたと思うんだよね。でも、みどりちゃんはユウコと違ってノリノリでセックスワークを楽しむようになった。性は力。みどりちゃんは、強かったの。ユウコは、みどりちゃんほどには強くなかった。ユタカと互角になれなかった。でも、ならなくていい。さようなら、みどりちゃん。さようなら、理想。ユウコはユウコのままで生きていきます。
空の落下地点

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