めったに投稿しませんが

死と処女(おとめ)のめったに投稿しませんがのネタバレレビュー・内容・結末

死と処女(おとめ)(1995年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

<「マヤの秘密」との対比>
2022年に、「マヤの秘密」(2020年、ノオミ・ラパス主演)を映画館で観た。最近の映画なのに、なぜか現在は、Tsutaya Discas、アマプラ、U-Next等を探したが視聴できない。

「マヤの秘密」は、ナチスによるロマ民族殺害をめぐる映画である。妹を殺され、自らもレイプされながらも生き延びた主人公が、戦後に結婚して移住した米国で、加害者に酷似したドイツ人を見つけるところから話が始まる。

「死と処女」と「マヤの秘密」は、下記の点が共通している。
①基本的な構成は、被害者(妻)とその夫、容疑者の3人によるドラマである。
②妻は容疑者の正体を見抜き、拘束するが、夫は半信半疑で、むしろ妻の精神状態を疑う。
③最終的に、容疑者が自白して、妻が正しかったことが証明される。

しかし、結末は正反対である。「死と処女」では、妻(シガニー・ウィーバー)とその夫は、医師を殺しきれずに解放する。
 ところが、「マヤの秘密」では ・・・ 。ひょっとすると、余りにバッド・エンドなので、配信を取り止めて、ハッピーエンドになるよう、ラストの部分を撮り直しているのではないか、と思うほどである。

話を本題に戻して、「死と処女」は、私にとっては本当に衝撃を受けた映画だった。重要なポイントが、医師の「その期間はスペインの病院で働いていた」という主張を確かめるため、夫がその病院に電話をかける所にある。
 最初は、ごく普通に「はい、〇〇病院です」と応答していた電話受付係が、「ミランダ医師の件でお尋ねしたいのですが」と夫が言った瞬間に、声のトーンが変わる。ちょうど、用意していた原稿を読み上げるような調子で「医師は当院にいた」と答えるが、その声からは緊張が読み取れる。つまり、病院はグルだったのだ。

 結末は、前記のとおり、復讐は思いとどまる。医師は自分の罪を償っていない、というモヤモヤは残るものの、救いを感じさせるエンディングだった。