三四郎

素晴しき男性の三四郎のレビュー・感想・評価

素晴しき男性(1958年製作の映画)
3.4
ちょくちょくミュージカルが挿入される。
ストーリーは、一言で言えば、「世間は狭い」
まさか、北原三枝にアプローチした裕福なお坊っちゃんと北原三枝のダンス演出家石原裕次郎が兄弟とはね。
兄弟揃って北原三枝に恋をし、長女役の月丘夢路は、北原三枝の姉の洋裁店を贔屓にしており顔見知りという、なんとも映画らしいコンパクトな設定。
しかし、これがなかなかどうしておもしろい。
無理が無いように思えるのは、長男石原裕次郎が実家のガレージに住み、家族と距離を置く変わり者という設定だからだろうか。これだけコンパクトな登場人物の設定だが、現実にあってもおかしくない話かな、と思わず納得してしまう。

「条件に憧れて交際してるうちに、やっぱり、人間の魅力ってことが大事だとわかってきたんです」と、北原三枝が婚約者の弟ではなく兄の石原裕次郎の方が好きだと、裕福な家族に向かって言う。
目の前でストレートに振られた弟が可哀想すぎる。人間の魅力無しと言われたら、辛いよな。

月丘夢路に特に興味もなく、魅力は感じないのだが(魅惑はある女優さん)、広島出身という親近感と、銀幕に映える顔で、なんだか目で追ってしまう。
派手な顔ゆえ、お高くとまった令嬢役がよく似合う。

北原三枝の姉役のエロキューションが山岡久乃みたいと思って見ていたが、本人だったのか。
三四郎

三四郎