ギズモX

白昼の幻想のギズモXのレビュー・感想・評価

白昼の幻想(1967年製作の映画)
4.0
実際にドラッグでラリった時の体験を映画にしてみたという、"B級映画の帝王"ロジャーコーマンが監督したサイケデリックムービー。

脚本はジャックニコルソン、主演がピーターフォンダ、そしてデニスホッパーも出演しており、『イージーライダー』のプロトタイプと呼べる、映画で初めてドラッグをテーマにした実験的な作品だ。

離婚寸前の状況に置かれているCM監督がLSDの幻覚作用を用いて精神世界を旅していく内に、幻覚に身を委ねたまま夜の街へと繰り出してしまうストーリー。

ドラッグによる幻覚の映像化がこの映画の全て。
なのでシナリオ、設定その他もろもろは完全に破綻しているが、『インセプション』のように様々な精神世界のイメージが入り乱れる映像表現には驚かされる。

本作を危険視したAIPが最初に注意書きを足し、ラストの変更も加えたことで、製作陣と製作会社の間に亀裂が生まれ、『イージーライダー』はコロンビアが制作することとなり、ロジャーコーマンは独立した映画会社"ニューワールドピクチャーズ"を立ち上げることとなる。

行き場をなくした若者が精神世界に逃れる、60年代のカウンターカルチャーを表した近代芸術的な作品です。
ドラッグダメ絶対。

「友人は皆やっていたが、神に近づくことはないだろ」
「あれが楽しいかって?」
「よしてくれ」

「パワーとは何だ?」
「神が彼らを創ったんだ」
ジャックニコルソン
 
ギズモX

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